【人間ドラマ/ビジネス】『適応障害で会社を辞めた新卒とぼっち配信者』あらすじ&感想・ポイントレビュー

青年漫画

今回紹介するのはこちら!

適応障害で会社を辞めた新卒とぼっち配信者(作者:甘井(監修:岩波明))です!

みなさん、毎日お仕事や学校お疲れ様です。日々を過ごす中で、なんとなく息苦しさを感じたり、人間関係に疲れてしまったりすることはありませんか?

今回は、そんな現代を生きる私たちの心に優しく寄り添い、じんわりと温かい光を灯してくれるような素晴らしい漫画を見つけたので、その魅力をたっぷりと語らせてください!

スクウェア・エニックスの漫画アプリ「マンガUP!」で連載されている作品で、単行本第1巻も発売されたばかりの、今とにかく読んでほしい一冊です。

あらすじ

ここでは、本作の物語の始まりとなるストーリーの概要についてご紹介します。主人公の健吾がどのような状況に陥り、そしてどのように「あぽ」という配信者と出会うのか、そのキッカケをまとめました。

憧れの会社に入社し、希望に満ち溢れた社会人生活をスタートさせた新卒1年目の主人公・村上健吾。

しかし、配属初日から彼の日常は一変します。教育係の先輩社員である佐藤から、指導という枠を超えた心ない言葉の暴力や、理不尽で無茶な業務指示を毎日浴びせられ続けることになってしまったのです。

精神的に激しく追い詰められた健吾は、食事も喉を通らなくなり、最終的に「適応障害」を発症して逃げるように会社を退職することになります。

退職後、何もできないまま自室でうずくまり、完全な引きこもり生活を送っていた健吾。そんなある日、彼のスマートフォンに1通の通知が届きます。

それは、会社員時代に何気なくフォローしていた「あぽ」という女の子の生配信が始まったという知らせでした。

なんとなくその配信を覗いてみると、画面の向こうでは、フォロワーが健吾ただ一人しかいない状態で、一生懸命におにぎりを美味しそうに頬張るあぽの姿が映し出されていました。

ここから、傷ついた二人の「画面越し」の不思議な交流が始まります。お互いに孤独や痛みを抱える二人が、どのように関わり、どのように変わっていくのか、続きがどうしても気になってしまう展開になっています!

感想

主人公の健吾が職場で先輩の佐藤から「人に聞く前に自分で考えろよ」「今年の新卒ってみんなこんな感じなの?」と自尊心を削られていくシーン、とてもリアリティがありました。

真面目で責任感が強い健吾だからこそ、「自分が悪いんだ」と内罰的になってしまう姿は、現代の労働環境で悩む多くの人が共感できる部分ではないでしょうか。

ですが、本作は決して辛いだけの物語ではありません。引きこもってしまった健吾が、あぽのささやかなおにぎり配信をきっかけに、少しずつ部屋を片付ける気力を取り戻したり、数ヶ月ぶりにご飯を美味しいと感じられたりする描写が、本当に丁寧に描かれています。

劇的な奇跡が起きて一瞬で解決するのではなく、小さな一歩を進んだり、時には過去のトラウマでフラッシュバックを起こして後退したりするプロセスが、とても誠実に描かれているなと感じました。

また、精神科のクリニックを受診することへの心理的ハードルや、世間の偏見に対する葛藤も描かれており、非常に深いテーマ性を持った人間ドラマに仕上がっています。

推しポイント

わたし的視点から、この作品が特に素晴らしいと感じる具体的な見どころをご紹介します。

ココが素晴らしい!
  • 精神科医の監修による圧倒的な信頼性とリアリティ
    本作は精神科医である岩波明氏が医療監修として参画しています。そのため、適応障害の発症メカニズムや、当事者の心の動き、クリニック受診への葛藤などが医学的見地に基づいて誠実に描写されています。
  • 心に深く刺さる「カタツムリの殻」などのメタファーと名言
    社会を「空気ボンベを背負って泳ぐ海」に例えたり、弱っている時に殻に閉じこもることを「自分を守るための自己防衛であり、正しい生存戦略」とするカタツムリの殻の会話など、読者の心を縛りから解放してくれる言葉がたくさん散りばめられています。
  • 無条件の愛情をくれる母親という存在の温かさ
    連絡を絶ってしまった健吾を責めたり急かしたりせず、「心配している」「連絡を待っている」とプレッシャーを与えないメッセージを送り、温かい手紙と仕送りを送る母親の姿が胸を打ちます。
  • 受賞歴のある優れた読み切り版から発展したオリジナル連載
    本作はWeb小説などの文字媒体の原作ではなく、第42回スクウェア・エニックスマンガ大賞で入選した甘井先生の読み切り漫画「手を合わせましょう」が原点となっています。当時から大反響だったテーマをさらに深掘りした、こだわりの完全オリジナルコミックです。

まとめ

『適応障害で会社を辞めた新卒とぼっち配信者』は、悪質な労働環境で傷ついた青年と、孤独を抱える女子大生が、画面越しの小さな繋がりをきっかけに心を再生させていく、とても優しくてリアルな人間ドラマです。

精神科医の監修による確かな専門性と、甘井先生の描く共感度の高いストーリーや名言が、読む人の心をそっと包み込んでくれます。「お仕事で少し疲れちゃったな」「人間関係に疲れたな」と感じている方にこそ、ぜひ手に取っていただきたい処方箋のような作品です。

気になった方は、ぜひまずは「マンガUP!」で毎週金曜日に更新されていますので、試し読みからこの温かい救いの物語に触れてみてくださいね!